子ども食堂でごはんを食べる子どもたちのために寄付をしたら、その年の税金は少し軽くなるのでしょうか。寄付金控除は、寄付した額に応じて、払う税金が少し減るしくみです。使えるかどうかは、寄付する相手の種類と、受け取る書類の2つで決まります。調べてみると、ちょこっと寄付に載っていた子ども食堂405団体のうち、名前を見て対象と分かったのは5つだけでした。団体がAmazonに作った欲しいものリストから品を贈ったときも、残念ながら控除にはほとんど使えません。
ただ、相手の種類は、寄付する前に公式サイトなどで見分けられます。どこを見ればよいのかを、2つの条件の順に話していきます。
控除が使えるのは、相手と受領証がそろったとき
1つ目の条件は、寄付する相手が、控除の対象になる団体であることです。国や自治体のほかに、対象になる団体は大きく2つあります。1つは認定NPO法人です。お金もうけを目的にしないNPO法人のうち、都道府県や政令指定都市の審査を通ったところを指します。もう1つは特定公益増進法人で、寄付すると税金が減ると法律で決められた、公益のための法人です。福祉施設を運営する社会福祉法人や、公益社団法人・公益財団法人がこれに当たります。
反対に、社会のための活動をするNPO法人でも、認定を受けていなければ控除の対象にはなりません。法人として登記していない、有志の集まりである任意団体も対象外です。
控除の対象になる相手
国・自治体
認定NPO法人
特定公益増進法人社会福祉法人、公益社団法人・公益財団法人など
対象にならない相手
認定を受けていないNPO法人
一般社団法人法務局に登記して作る団体。名前だけでは対象外
任意団体登記していない、有志の集まり
では、子ども食堂を開いている団体は、どちらに当たるのでしょうか。ちょこっと寄付に載っていた子ども食堂405団体を、2026年10月6日に団体名で数えてみました。名前を見て対象の種類だと分かったのは5団体で、認定NPO法人が4つ、社会福祉法人が1つでした。認定の付かないNPO法人は57団体、法務局に登記して作る一般社団法人は9団体で、どちらも名前だけでは対象になりません。
ほかの団体の多くは、名前に法人の種類を入れていません。名前からはどの種類か分からないので、この数は目安です。相手の種類は、団体の公式サイトで調べられます。認定NPO法人かどうかは、内閣府のNPO法人ポータルサイトでも確かめられます。
2つ目の条件は、その団体から受領証をもらうことです。受領証は、団体が出す「寄付を受け取りました」という証明書で、寄付の金額や受け取った日が書いてあります。1年の収入などを税務署に届け出る確定申告で、この受領証が要ります。2つの条件の出どころは、国税庁のタックスアンサーNo.1150とNo.1263です。タックスアンサーは、国税庁がサイトに出している税の解説です。
Amazon欲しいものリスト(物品)
- 支払う先Amazon
- 団体からの受領証出にくい
- 確定申告書類がそろわない
認定NPO法人などへ現金で寄付
- 支払う先団体
- 団体からの受領証発行される
- 確定申告受領証を添付
欲しいものリストで贈った品には、受領証が出にくい
物で贈る寄付も、制度の上では控除の対象になりえます。国税庁は質疑応答の中で、個人が自治体にパソコンを寄付した例について、寄付金控除の対象になると答えています。ただし、ここでも先の2つの条件は変わりません。
つまずくのは、2つ目の受領証です。リストから品を贈ると、お金を払う相手はAmazonになります。団体の側では、品の金額や誰が贈ったかが分からないこともあるため、受領証を出しにくいのです。
控除を使いたいなら、リストで贈る前に、相手が対象の団体かを確かめておきましょう。対象の団体なら、贈る前に受領証を出せるかを聞いてみてください。出してもらえるかどうかは、団体しだいです。
認定NPO法人などに物を寄付したとき、その金額をどう決めるかを直接書いた国税庁の案内は、見つかりませんでした。迷うときは、税務署にたずねると安心です。
控除を使いたいなら、対象の相手に現金で寄付する
現金で寄付するなら、控除はぐっと使いやすくなります。対象になる相手を自分で選び、現金で寄付して受領証を受け取ればよいからです。選ぶときは、団体が実在して活動しているかも見ておくと安心です。見方は、8月に901団体を調べて「寄付先の確かめ方」にまとめました。
子ども食堂なら、先に数えた4つの認定NPO法人が候補になります。
- 茨城県鉾田市のキッズ王国
- 東京都豊島区の豊島子どもWAKUWAKUネットワーク
- 愛知県岡崎市の葵風
- 高知市のこうち食支援ネット
施設を選ぶ手もあります。家庭で暮らせない子どもや赤ちゃんが生活する児童養護施設や乳児院には、社会福祉法人が運営するところがあるからです。2026年10月6日に数えると、ちょこっと寄付に載っていた児童養護施設と乳児院は98団体でした。そのうち名前か紹介文に社会福祉法人とあるのは33団体で、3つに1つほどでした。どの法人が運営しているかは、施設の公式サイトで分かります。
一つひとつ調べるのが大変なら、子ども食堂を全国で支える団体へ寄付するのも1つの方法です。たとえば全国こども食堂支援センター・むすびえは認定NPO法人で、寄付金控除が受けられると案内しています。これなら、団体ごとに種類を確かめる手間がいりません。
自治体に寄付するなら、ふるさと納税が使えます。ふるさと納税は、好きな自治体に寄付すると寄付金控除の対象になるしくみです。受領証は自治体が出します。放課後などに子どもが安心して過ごせる居場所づくりや、子育て支援を使いみちに選べる自治体もあります。

控除される額や申告できるかどうかは、その年の所得や寄付先の種類しだいです。おおよその計算のしかたは下のよくある質問に、くわしい決まりは国税庁のタックスアンサーにあります。金額が大きいときや、申告できるか迷うときは、税務署や税理士に聞いてみてください。
控除がなくても、品を贈る意味はあります
ここまで読むと、欲しいものリストで贈る理由が薄れたように思えるかもしれません。けれど、品で贈る寄付には控除とは別の良さがあります。届くのは団体が自分でリストに載せた物だけなので、いま要る物がそのまま手に渡るのです。どの品が求められているかは、「いま本当に欲しがっているもの10選」が参考になるでしょう。子ども食堂のリストに多い品を数えた記事です。
金額の下限もなく、数百円の日用品1つから贈れます。品はAmazonから団体へ直接届くので、相手の住所を知る必要も、こちらで箱に詰めて送る手間もありません。注文の手順や名前の出方、送料は「Amazon欲しいものリストで寄付する方法」で説明しています。
贈る前には、リストが今も開けるかを見ておくと安心です。全1540件のリストを開いて数えた「4件に1件は贈れない」のとおり、消えたリストや品切れもあるからです。
ちょこっと寄付には、子どもを支える全国862団体の欲しいものリストが、47都道府県と7つの活動分野に分けて載っています。子ども食堂や施設のほか、親が一人で子どもを育てるひとり親の家庭を支える団体からも選べます。
控除にこだわらないなら、まずは住んでいる県の子ども食堂のリストをのぞいてみてください。
よくある質問
Amazonの欲しいものリストで贈った品物は、寄付金控除の対象になりますか?
ほとんどの場合、対象になりません。お金を払う相手がAmazonで、団体から受領証が出にくいためです。
団体に「受領証を出してください」と頼んでもいいですか?
社会福祉法人や認定NPO法人など、対象の団体なら、贈る前に聞いても大丈夫です。出すかどうかは団体によります。任意団体や、認定を受けていないNPO法人は、受領証を出してもらえても控除には使えないので、頼まなくてかまいません。
子ども食堂に現金を寄付すれば、必ず控除を受けられますか?
受けられるとは限りません。相手が認定NPO法人などの対象の団体で、受領証が出ることが要ります。
控除額はどのくらいになりますか?
控除には、税金の計算のもとになる所得から引く所得控除と、税金そのものから引く税額控除の2通りがあります。その年の所得を合わせた額を、総所得金額等といいます。所得控除では、その年の控除の対象になる寄付の合計と、総所得金額等の40パーセントを比べます。その低いほうから2,000円を引いた額が控除額です。認定NPO法人などへの寄付なら、税額控除も選べます。そちらが有利になることもあり、どちらにするかは申告のときに決められます。
控除がないなら、物品で寄付する意味は薄いのでしょうか?
そんなことはありません。団体がいま必要としている物が、そのまま届きます。
確かめた国税庁の案内と日付
- タックスアンサー No.1150 寄附金を支出したとき(令和8年4月1日現在)
- タックスアンサー No.1263 認定NPO法人等に寄附をしたとき(令和8年4月1日現在)
- 質疑応答: 地方公共団体に対して中古資産であるパソコンを寄附した場合の税務上の取扱い
いずれも2026年10月6日に読みました。団体の数は、当サイトの索引の団体名・紹介文から同じ日に数えた目安です。税の決まりは変わることがあるので、申告の前に国税庁の最新の案内を確かめてください。


